高崎哲学堂の設計

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高崎哲学堂は、東京の麻布笄町4番地(現西麻布3-3付近)にあった、レーモンドの事務所兼自邸のコピーです。

高崎哲学堂を自邸として建てた井上房一郎氏。
彼が戦前より交流のあったチェコ生まれの米国建築家のアントニン・レーモンドの自邸を大変気に入り、レーモンドの了解の下、そっくりな邸宅を高崎に建築しました。
(オリジナルを左右反転しているらしいです。)
ですので、ぼく達は「レーモンド原設計」と表現しています。

現在、鎌倉で行われているアントニン&ノエミ・レーモンド展。
こちらのサイトのトップの写真、ちょうど高崎哲学堂の入り口(ウェグナーに座ろう展の受付)と同じですよね。

この高崎哲学堂にも、取り壊しの危機がありました。
維持していくことが難しく、公売にかけられたものの、2002年に高崎哲学堂設立の会が市民から寄付で集めた1億円を含めた3億1千万円で落札に成功。
取り壊しの危機を乗り越えました。
その後、高崎哲学堂として公開されることとなりました。
みんなの力で、奇跡的に残った貴重な建築物なのです。

東京麻布笄町のレーモンド自邸はすでになく、当時のレーモンドの建築を知るうえでも需要な資料となっています。
この大変貴重な建築物も一緒にご覧になってみてください。

会期中の高崎哲学堂

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アントニン・レーモンド原設計の高崎哲学堂。
普段は中に入ることはできません。
今回のように、催し物があるときのみ、中に入れます。

貴重な機会なので、建物の中を少しだけご紹介します。

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お庭です。
今回はお庭を照らす竹ライトを作成、設置して演出しています。

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アントニン・レーモンドの特徴が一番現れているハリ。
二つに割った丸太で柱をはさむようにして、屋根を支えています。

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すすきと高崎哲学堂。
秋ですね。

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和室です。
和室に椅子もなかなか乙です。
井上房一郎氏が自邸として使っていたころは、土足な生活だったようです。
和室は一段高くなっており、靴を脱いで上がるような設計になっています。

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廊下その1。
ちょっとだけ見えるメインリビングのトリミングが、ワクワク感を盛り上げます。

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廊下その2。
人とすれ違うのにやっとなほどな幅。
しかし、木漏れ日などで圧迫感はなく、ふんわりやさしく包み込むような印象です。

写真ではお伝えできない、なんともいえない雰囲気がここにはあります。
ぜひ、みなさまもご体験ください。

今日の高崎哲学堂【番外編】

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井上房一郎氏の胸像です。
意図的な荒い作りが男を感じさせます。
群馬県高崎市出身の実業家で、群馬県の文化の発展に大きく貢献した人物です。

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屋根にあがって掃除していました。

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庭の一部が工事中でした。
あじさいも咲いています。
奥に見えるコンクリートの建物が高崎市立美術館です。
高崎市立美術館では現在、
「中村征夫写真展─海中2万7000時間の旅」が開催中です。
8月29日まで。

高崎市立美術館

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ブドウもたわわに実っていました。

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ニホンアマガエル氏も見学に来ていました(笑)

今日の高崎哲学堂

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今日は天気も良かったので、今回の会場となる『高崎哲学堂』に行ってきました。
なんと今日は庭園の工事中で閉まってましたが、
優しい警備員の方にお願いして外観だけ軽く撮影してきました。

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立派な門の右にある立派な看板です。
いつもは閉まったままです。

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財団法人 高崎哲学堂(旧 井上房一郎 邸)は、
たかさき都市景観重要建築物に指定されています。
場所は高崎駅西口から徒歩5分程度の場所にあります。
高崎市立美術館の隣です。

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チェコ生まれのアメリカの建築家、
アントニン・レーモンド(1888-1976)の原設計、井上氏の実地設計です。
アントニン・レーモンドさんは近所にある群馬音楽センターも設計しています。

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あの!みうらじゅんさん、いとうせいこうさんペアも
一緒に訪れたと言います…さすがです。

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高崎駅西口から徒歩5分の景色とは思えません!!